公益財団法人かかみがはら未来文化財団

はぐくむ

【活動報告】R5.1.7/ 和楽器ファミリーコンサート

2023.02.14

2023年1月7日(土)

かかみがはら未来文化財団が企画する「文化をはぐくむ」事業のひとつ「親子向けコンサート」として、新春にふさわしい和楽器の音色に触れていただく和楽器ファミリーコンサートを開催しました。

「日本の楽器「おこと」「お三味線しゃみせん」ってどんな楽器? ー自然とともにー

 私たちが住んでいる岐阜県は周りに山があり、木曽川や長良川などの川もあり、とても自然に恵まれた場所。「和楽器」は「自然」とゆかりがあり、木や竹、動物など自然のもので作られた楽器が多く、「自然」の音や風景を現わしている曲が多くあるそうです。
 今回は、各務原市登録アーティスト日原暢子さんと共演者の上田優子さんに、「自然」をテーマに、楽器や曲の魅力をたっぷりとご紹介いただきました。

「新年」「お箏」と言えば!お正月になると神社などで流れているあの曲!
曲名を知らなくても、誰もが一度は耳にしたことのある曲『春の海』。
この曲からコンサートが始まりました。

「お箏」「お三味線」を詳しく知ろう!

 参加者の中には、初めてお箏やお三味線を見たり、音を聴いたりする方が多くみえました。楽器のあれこれや、曲について詳しく教えてくださいましたよ。

◆楽器について
 「お箏」は、「桐(きり)」という木で作られています。桐は湿気を吸ってくれる優秀な木であることもあり、お箏にはとても適している木だそうです。
絃の途中に立っている三角のものは「琴柱(ことじ)」というもので、箏の胴に立てて絃を支え、これを動かして、音程を変えています。また、音を出すためには、指で直接弾くのではなく、指に「箏爪(ことづめ)」というものをはめて、絃をはじきます。
 この「琴柱」や「箏爪」の素材は、「象牙(ぞうげ)」と言われ、みなさんもよく知っている鼻の長~い大きな動物「象(ぞう)」の「牙(きば)」で作られているんですよ!

 「お三味線」は、太さのちがう三本の糸(絃)が張られていて、音を出すためには、イチョウの形に似たバチで絃をはじきます。このバチは、お箏の「琴柱」や「箏爪」と同じく「象牙」でできていたり、べっ甲などが材料となっているそうです。

 コンサートには、お箏、お三味線のほかに「十七絃箏」「二十五絃箏」もお持ちいただきました。
名前のとおり、それぞれ17本、25本の絃が張られていて、通常13本のお箏に比べると楽器の大きさも大きくなり、音域も変わり、演奏の幅、音の幅がぐんと広がりました。

◆曲について
 今回のコンサートでは、自然を表現した曲をたくさん演奏していただきました。

 『八重衣(やえごろも)』『銀河(ぎんが)』など、あまり聞きなれない曲名ですが、季節の風景、虫の鳴き声、風の音、学校での様子など、さまざまな日常生活にある音を、お箏、お三味線で表現されていました。
 初めて聴く曲、知らない曲だけど、聴いたことがある音を探すために真剣に演奏に耳を傾ける姿が見られました。
 また、『子どものためのリズム遊び』という曲のなかには、「走る」「スキップ」「ジャンプ」などの動きや、「魚」や「電車」など、どんな音がするんだろうというものも表現されていて、その様子をイメージしながら聴くことができ、とても親しみを感じました。

 邦楽曲だけではなく、子どもたちに大人気の曲YOASOBIの『ツバメ』も演奏してくださいました。
聴きなじみのある曲を和楽器の演奏で聴くのも新鮮でいいですね!子どもたちの顔もすこし和らいだように思いました。

 コンサート中は、静かに聴いていてくれた子どもたち。コンサート後は、楽器に近寄り、触ってみたり、直接アーティストにお話しを聞いたりする姿が見られました!みんな興味津々♪こんな近くで楽器に触れられることは貴重な体験ですよね。
私たちが見たかった光景が見られて大変嬉しくなりました。音に触れるだけではなく「実際に楽器に触れる機会をつくりたい!」と思った瞬間でした。

 「自然」をテーマに、日本の伝統楽器である和楽器について”知らないこと”を聞き、曲の魅力もたっぷり感じられる、学びの多いコンサートとなりました。

 新しい年の始まり。新春にふさわしい和の音色で、心おだやかなひと時を過ごすことができました。
財団のコンサートで、さまざまな楽器・音楽に触れていただける1年となるよう企画していきたいと思います。