公益財団法人かかみがはら未来文化財団

ふれる

【活動報告】R4アート企画展 / 奥村晃史展 村国theミュージアム

2022.12.26

2022/10/22(土)~2022/11/6/(日)
奥村晃史展 村国theミュージアム

かかみがはら未来文化財団が企画する「文化にふれる」事業として、村国座を会場にしたアート企画展、奥村晃史展 村国theミュージアムを開催しました。


ミュージアム(博物館)をアートで体現する

今回のアート企画展は、各務原市出身で、長年画家として国内外を問わず活動を続けられている奥村晃史さんの個展開催として行われました。

記念すべき50歳という節目を迎えられた奥村さん、せっかく地元で開催するのだからと会場に指定されたのは、国指定重要有形民俗文化財の村国座
作品を並べてアートミュージアム(美術館)にするのではなく、各務原市が誇る歴史や産業遺産などを取り入れたミュージアム(博物館)のような空間をつくり上げることになりました。


写動物体験からはじまる村国theミュージアム

奥村さんの絵画作品を描き写す、「写動物(しゃどうぶつ)」
専用の転写台を使用して、まるで写経のように絵をなぞって描くことからこの名前がつけられました。
淡々となぞり続けるのは単純作業に似たところがありますが、だからこそ没頭することが可能であり、その結果生まれたものがアート作品になる新鮮さを体験してもらいたいとして、写動物のワークショップ企画が立ち上がりました。
また、レストランやカフェなど生活の延長線上にある場所を会場にすることで、幅広い層の方に体験していただき、後の村国theミュージアムへと導かれるきっかけにしてもらいたいとの思いが込められています。

\写経ならぬ、写動物?!/絵を写し没入する、お食事会

9月4日(日)、朝晩にすこしづつ秋の気配が感じられるころに、学びの森の隅に佇むシェアレストラン「かもす食堂」を会場にした1回目のワークショップが開催されました。
普段は食事をする人で賑わうこの場所も、この夜だけは少し雰囲気が変わります。
初めて写動物を体験される方がほとんどにも関わらず、皆さんじっくりと集中して自分の作品に向き合っていました。

没頭したあとには、かもす食堂で営業している「らくだのパスタ」のお食事をいただきます。
「夏と秋の境目」をイメージしたこの日限定の特別なパスタに、参加者の皆さんは大満足の様子!
スタッフも美味しくいただきました。

太刀魚と茄子のトマトソース

体験ワークショップ in GOZARE Arts -いろ×iroアートDay-

「誰でも“ゴザーレ”な地域共生社会」を目指す、フェニックスグループの”GOZARE(ゴザーレ)プロジェクト”。 
2回目のワークショップは、鵜沼にある健康館フェニックスで9月11日に開催されたイベント「GOZARE Arts -いろ× iro アート Day-」にて行いました。

トークイベントやマルシェ、手作りアート体験など内容盛りだくさんのイベントで、子どもから大人まで楽しめる和やかな雰囲気のなかでたくさんの方に写動物を体験していただきました。
参加者には「極ジェラート」のプレゼントも!まだまだ暑い9月にぴったりのお土産でした。


ついに開幕!「奥村晃史展 村国theミュージアム」

ワークショップを終え、ついに「奥村晃史展 村国theミュージアム」が始まります。
奥村さんの代表作ともいえる作品から今年描かれたばかりの最新作まで、計17点の絵画が所狭しと並ぶ様子はまさに壮観!
会場に足を踏み入れた瞬間から、みなさんの「すごーい!」という声がたくさん聞こえてきました。

客席中央に吊るされたひと際大きなオブジェには、ワークショップで描かれた写動物たちが飾られています。
これは村国座を象徴する「廻り舞台」をイメージして作られたもので、天井近くに設置した小さな扇風機の風を受けてゆっくりと回転しています。

このオブジェはすべて奥村さんの手作り!

普段、出演者しか上がれない舞台にも今回は上がることができます。
廻り舞台の上に敷かれた大きな丸い布は、おがせ池をイメージしてつくられたもの。
巨大な鯉がたくさん描かれていて、布の上に乗ると今にも鯉に食べられてしまいそうです。

この布も奥村さん自らミシンをかけて円形にしたそうです。

さらに、巨大鯉の上にはこの展覧会のために制作された、各務原市ゆかりの戦闘機をモチーフにした作品が宙を飛ぶように展示されています。

芝居小屋で絵画展をするために

舞台やコンサートの会場としてはおなじみの村国座ですが、絵画の展覧会は初めての試み。
通常、平面の作品は壁にかけて展示しますが、村国座にはそうした壁がほとんどありません。
ワイヤーで作品を吊り下げたり、専用のスタンドを用意したりと、会場の至るところに展示のための奥村さんのアイデアが散りばめられていました。

花道に並んだ作品は奥村さんお手製のスタンドによって設置されています。

間近で感じる作品の魅力

本当に光っているかのような作品(”Lumino-Goat”)は、通常の油絵具を使用して描かれています。
ほかにも木彫り作品のような豚(”動植物図襖絵”)や、リアルな毛並みに本物のワッペンをつけているように見える作品(”Flying Swallow S”)など、とても平面に描かれたものとは思えない作品が並び、改めて奥村さんの技術の高さに驚かされます。

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