公益財団法人かかみがはら未来文化財団

いかす

【活動報告】R4.7.16 / 「ホスト万葉集」を読みとく 大人のための短歌サロン

2022.08.02

2022年7月16日(土)
KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE にて
『「ホスト万葉集」を読みとく 大人のための短歌サロン』を開催しました。

歌人・野口あや子

講師は、イベントのタイトルにもある「ホスト万葉集」の編者であり
歌集やコラム、小説など幅広い創作の場で活動中の歌人・野口あや子さんです。
早くからその才能を発揮し、第一歌集「くびすじの欠片」にて現代歌人協会賞を最年少受賞
その後も歌集を続々と刊行し、現在は岐阜新聞にて「身にあまるものたちへ」、中日新聞にて「女性はみんなお嬢さま ~エアー執事と味わう短歌~」を連載するなど、めざましい活躍をみせる野口さん。
この日は「57577」とプリントされた短歌愛溢れるTシャツ姿でお越しくださいました。

トークイベント<前半> 「夜の街」と短歌、その関係性とは?

最初に、「ホスト」という職業についての解説からトークが始まりました。
煌びやかな未知の世界のお話に、皆さん興味津々な様子でじっくりと聞き入っていました。

ホストの営業スタイルの紹介。一口にホストといっても様々なタイプの人がいるようです。

そして、話題は新宿歌舞伎町で働く彼らが「短歌」を詠むことになった経緯へと進んでいきます。
コロナ禍において「夜の街」と一括りにされたことへの皮肉が込められた歌や、
生き残りの厳しい世界での苦労や栄光を詠んだ歌などを、
詠み人であるホスト個人のエピソードも交えて解説していただきました。

当日配布された資料はなんとホストの顔写真!ばっちり決めた宣伝用写真に会場は大盛り上がり。

トークイベント<後編> 短歌、実作!

休憩をはさみ、後半は実際に短歌を詠んでみよう、ということになりました。
突然そんなことを言われても!とビックリする様子もみられましたが
いざペンを持ってみれば、みなさんあっという間に集中モードへ突入。
初めて詠んだとは思えない、素晴らしい作品の数々ができあがりました。

その後、出来上がった短歌を
「ホット」「クール」「カジュアル」「ロマンティック」
の4つの雰囲気のどこに当てはまるか考え、チャートに貼り付けます。

「自己批評」というと難しく感じますが
こうした気軽な形式になると参加者同士のおしゃべりもはずみ、賑やかな雰囲気となりました。

貼りだされた短歌を眺める参加者の皆さん。今回はクールでロマンティックな作品が多かったようです。

自分の短歌だけでなく、野口さんの短歌も、チャートのどこに当てはまるかを考えます。
同じ内容の歌でも、人によって解釈が分かれるところに批評の面白さがあるのかもしれませんね。
短歌を詠む時間は特に盛り上がりをみせ、あっという間に時間が過ぎていきました。


今回は、元々短歌に興味のある方から「なんだか面白そう」という好奇心で参加された方、
年代も性別も様々な参加者が集まることで、とても素敵な雰囲気がつくられたように思います。

「ホスト万葉集」をきっかけに、短歌という文芸を身近に感じていただくことができたら幸いです。

「辛い時にこそ短歌を詠むと良い。」という野口さんの言葉がとても印象的でした。

次回予告!

「コトバdeストレッチ」、次回の企画は、大人向けと子ども向けのワークショップです。

子ども向けの「ペタペタ!オノマトペ?」では、
短歌ではなく、ことばそのものに注目して、日常の動作をオノマトペで表現していきます。
大人と同じように、自分で考えだした「てくてく」「さらさら」といったオノマトペを紙に書いて、壁にペタペタ貼っていきます。
保護者の方も一緒に参加していただけるので、小さなお子さまもぜひどうぞ!
◆子ども向けワークショップ 申込フォームはこちら またはPeatix


大人向けの「短歌にふれる 真夏の夜の歌会」では、
短歌を詠むことに集中して、野口さんのレクチャーのもと作品をつくり、
今回の企画と同じようにチャートに貼って自己批評をしていきます。
初心者の方にも楽しんでいただける内容となっていますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
◆大人向けワークショップ 申込フォームはこちら またはPeatix