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機関紙no6インタビュー企画/マーケット日和サポーターに参加してみてどうでした?
2025.03.08

機関紙no6のインタビュー企画では、マーケット日和サポーターの皆さんへお話を伺いました!「マーケット日和サポーターって何?」「どんな活動をしていたの?」「今後の活動は?」などなど、交流会形式で深掘りしていきました。WEB版では紙面に掲載しきれなかったトークを加えてお届けします!
マーケット日和サポーター制度とは?
「マーケット日和」は、毎年11月3日の文化の日に、学びの森・各務原市民公園・那加地区商店街で開催している、マルシェや音楽、アートなど、毎日の暮らしを楽しくするヒントに出会えるイベントです。また、来場者として楽しむだけでなく、「まちの人と関わりたい」「新たな挑戦をしてみたい」、そんな思いを持つ人が集まり、一歩踏み出すきっかけの場所でもあります。
これまで、ボランティアスタッフを募集し、運営のお手伝いをお願いしていましたが、そこで生まれた繋がりを次へ活かしきれていませんでした。そこで、11月3日以降も継続してまちと関われる場をつくるため、2024年6月に「マーケット日和サポーター制度」を始動させ、学生から社会人まで立場も年齢も様々な、25名ものサポーターが集まりました。

今回は、12名のサポーターにインタビューを実施。参加したきっかけや活動を通して成長したこと、皆さんの今後についてお届けします!
Q1:マーケット日和サポーターに参加した理由
驚くことに「マーケット日和の存在を知らなかった」と答える方がほとんど。では、どこからサポーターの情報を得たのでしょうか?主な情報源は「SNS」と「知人からの紹介」の2つでした。
SNSのおススメ投稿に登場
1つ目は「SNS」。各務原で何か面白い活動がないか調べていたところ、SNSのオススメ欄に投稿が流れてきたのだとか。
- 「さかだちブックス」や「カクカクブックス」のSNSで知りました。
- 各務原のことを調べていたら、Instagramでサポーター募集がおすすめで流れてきたのを見つけて応募しました。
- スマホのスマートニュースのアプリを見ていたら、サポーター募集の記事が載っていたことがきっかけで募集を知りました。
ここ数年で、SNSが発達し、誰でも簡単に情報収集ができるようになったことが、今回の回答に繋がったように感じます。一人一台スマホを持つのが主流となる現代ですが、10年前までは当たり前ではなかったですもんね。

アナログだけど大事な口コミ
2つ目は「知人からの紹介」。運営が知らないところで「マーケット日和」の活動を知る人が増えていて嬉しいですね。
- 市役所の職員さんと話す場があった時に「面白いことをやってみたいんです」と話したら、「各務原には面白いことがあるよ」という会話からマーケット日和を知り応募しました。人の繋がりでここまできました。
- かかみがはら暮らし委員会「寄り合い」に参加した時に、暮らし委員会の活動について教えてもらう中でマーケット日和の存在を知り、ちょうどボランティアを募集している事を知りました。
- 京都のイベントでコーヒーの出店していた時に、来店されたお客さんに「僕の地元の岐阜には何もないんですよね」と話をしたら、「岐阜にはマーケット日和っていうイベントがあるじゃん」って教えてもらったことがきっかけで知りました。
ネットだけではなく、会話で得られる情報も大切だと感じた回答でした。

暮らしをアップデートしていきたい
サポーター募集に気づいてもらえただけでも有難いですが、そこからなぜ応募に至ったのか。話を伺うと、様々な背景が見えてきました。
- 身近にいる友達の大切さを感じた出来事がきっかけで、各務原が好きだという気持ちが芽生えました。新しい場所に参加し視野を広げるために思い応募しました。
- 各務原に住んではいますが、何があるまちかは分からなくて。人との繋がりも近所くらいで、大学進学時に東京へ出てしまったので、ずっと繋がっている友人も少なくて。各務原を知り、人との繋がりを広げるために参加しました。
- 以前、OFTのボランティアに参加し、普段は関わらない人達と交流し、楽しい時間を過ごした経験がありました。もっと大きいイベントで活動したら、さらに楽しい経験ができるのではないかと思い参加しました。
- 大学生になり色々なことに挑戦したいと思っていて。人見知りで、人と関わることが苦手ですが、色んな方とコミュニケーションを取りたいと思い応募しました。

上記のように、人との出会いや発見を求めて参加した人もいます。また、下記のように、関心分野への知識を深めたいと学びを求めて参加した方もいました。
- 大学の研究で、建築によってまちをどのように甦らせるのか調べていて、各務原にも空き家をリノベしている場所があると知り、やってみたいと思い参加しました。
- ブックマルシェに出店している本屋は、店主がセレクトした本が並び、一般書店にはない本と出会えるんです。マーケット日和でもブックマルシェが行われると知り、スタッフとして関わりたいと思い応募しました。
- 子ども達の未来のためにイベントを企画したくて、どんな風にイベントが作られているのか学ぶために参加しました。また、各務原にずっと住み続けてきて、何か貢献できることをしたい、せっかくなら親子で様々な経験を積んでいきたいと思い参加しました。
- 地元の良さを知るために、お客さんとしてイベントに参加するのではなく、スタッフとして関わることで深く知ることができると思い参加しました。
一歩を踏み出して、暮らしを楽しくしたり、スキルアップしていきたいという強い想いが伝わってきます。プライベートの時間を割いてサポーターに参加した背景には、様々な理由を垣間見ることができました。

Q2:活動で印象に残っていること
各務原には知らない場所まだまだある
サポーター制度では、WEB記事作成・SNS発信・マーケット日和会場の装飾づくり・定例会・商店街リノベなど、様々な活動を行いました。
その中で特に印象に残っていることを尋ねると、「各務原にこんな場所があるなんて知らなかった!」という声が多く上がりました。普段と異なる視点でまちを見たことで新しい発見があったようです。
- 来場者、出店者、サポーター、市民でない人も、各務原に興味を持ち、自ら参加している人が大勢いることに驚きました。私は、各務原とは関係のない大学の友人がマーケット日和に出かけていた様子をSNSで見て、初めて「地元にこんなイベントがあるんだ」と知りました。自分が知らないだけで、各務原には色んな取組みがあり、案外、まちの外にいる人が各務原の魅力を知っているんだと感じました。
- 学びの森や市民公園では、マーケット日和以外にもマルシェが開催されていることは知っていましたが、音楽ステージを観に行った時に、池の前にお客さんが座り、ワンちゃんを連れていたり、平和な空間が広がっていて、こんなに素敵な公園があったんだと初めて感じました。
- オリエンテーションでまち歩きをした時に「ずっと地元に住んでいたけど、こんなに魅力的な場所やお店があったんだ」と知った瞬間が印象に残っています。

まるで文化祭のような活動期間
他人同士だった関係が、約5ヶ月という長期にわたり活動を共にしたことにより、これまでのボランティア活動よりも、サポーター同士の交流が深まり、まちの解像度が上がったのではないでしょうか。
- 装飾づくり、オンラインの定例会、当日は朝礼から始まったりと、文化祭をやっている感じがしました。大人になるとこんな機会はないので、長期的に楽しい時間を過ごせました。
- 初対面での会話に苦手意識がありましたが、装飾づくりなど何か作業をしながらの会話だと、゛これどうする?""これいいね!"と話題が生まれやすくなり、「こういう考えもあるのか」と発見にも繋がりました。小学生や大学生がいたりと、幅広い世代の人が集まって"学校どう?"といった話もできたことが嬉しかったです。
- まちに関わっている人と一緒に参加し、関係性を築けたことが楽しかったです。みんなが積極的に動いていて、みんなで作っているイベントなんだと再確認した時間でした。

来場者からの"良かった"という言葉
中には、マーケット日和当日の感想として話してくださる方がいました。真摯に活動に取り組んできたからこそ、お客さんから掛けられる言葉は、より一層心に沁みるものがありますよね。参加した人の"良かった"という最高の褒め言葉です。
- 本部で来場者の対応をしていた時に、80歳くらいのおばあちゃんが、”初めて来たけど、どの年代でも楽しめる良いイベントですね。”と、わざわざ伝えに来てくださったのがすごく嬉しかったです。

Q3:「自分、成長したな」と感じたこと
それぞれ目的を持ち、参加したサポーターの皆さん。約半年間、頭と体を動かしながら活動を行ってきましたが、心境にはどんな変化があったのでしょうか…。
まずは「やってみよう」
苦手分野を乗り越えるために、自ら課題設定をして取り組んでいる方がいました。無意識に目を逸らしてしまう部分も、「やってみよう」と意識することで見える世界が変わっていきますね。
- 強制的に言われてやるのではなく、自ら情報を得て、知り合いのいない場所に一人で飛び込んだことが大きな成長でした。仕事もプライベートも、飛び込み参加で得られた楽しさを忘れずに、今後も自分で新しい発見をし続けたいです。
- 以前、モジモジするだけで話しかけられなかった経験があって。今回は自ら話しかけて楽しい雰囲気をつくれるように、積極的に動くことができました。


写真上:商店街のリノベーション活動の1つとして、花と喫茶 karakuruさんの土壁塗りワークショップに参加した様子(2024年8月)。
写真下:その後、11月3日にオープンし、今回の機関紙インタビュー場所としてご協力いただきました!


サポーター活動は、24名の参加者の他にも、マーケット日和の運営メンバーや、まちで活動している人など、これまで接点が無かった人と交流することで、新たな発見を得られることもあるようです。
- 性別・年齢・職業もバラバラで、学生の若者達と話せるのか不安もありましたが、活動を通して仕事以外の人との繋がりを広げられたことが大きな収穫でした。もっと色んな企画やイベントに参加していきたいです。
- 他の人たちが参加している背景を知り、その姿に刺激を受けて、自分も常にチャレンジした方がいいと思わせてもらえました。

継続して参加したことで生まれた変化
サポーターの中には、2.3年前からボランティアとして継続的にマーケット日和に関わってくださっている方もいます。活動を通して変化した視点についてお話いただきました。
- 自分で企画したイベントをほぼ一人で準備し大変だった経験がありました。ボランティアに参加したことで、やりたいことを0から作り出す時には、役割を分担し、仲間と同じ目的に向かって進むことで、イベントが成り立つだけではなく”ここに行くと誰かに会える”という心の拠り所も創ることができるのだと学びました。
- 経験を積み重ねていくと責任のある仕事を任せてもらえるようになり、嬉しく、やりがいに繋がりました。

「自ら情報をキャッチし、行動にうつすこと」を意識した結果、精神・行動面で成長を感じた方が多くいましたね。新たな挑戦は年齢も立場も関係ないことを、サポーターの皆さんから学ばせていただきました。
Q4:今後、挑戦していきたいこと
インタビューを通して、サポーターが感じた様々な気づきや変化にふれられました。今後の彼らの展望はどうなるのか覗いていきましょう。
- プライベートでコーヒーの出店をしていて、これまでは県外で活動することが多かったのですが、サポーターの活動を通して地元も面白いなと思い始めて、関わる時間も増えました。次は、自分のやりたいことを地元で実行していきたいなと思っています。
- 住んでいるけど知らない良い場所があることを知り、大学の卒論で各務原について調べるのもいいなと思いました。
- 「自分の好き」を追求している人達を見て、私も熱中できるものを見つけたいと思いました。まずは、自転車とカメラを持って各務原を巡り、自分だけの好きを見つけたいです。
というように、地元の良さを再発見し、各々の環境を活かした動きが始まるようで、今後の動向が楽しみですね。

また、マーケット日和の当日スタッフとして次回以降に繋げていきたいという声もあり、そういった気持ちを持つ人が、イベントを支えてくれているのだと実感しました。
- 本部に来るお客さんは、ここに来れば全ての情報を得られると思っている方が多くて。与えられた情報だけじゃなくて、自分でリサーチする事も意識していきたいと思いました
サポーター制度を始動させた背景には、”11月3日以降も繋がりを継続させる”という想いがあります。サポーターさんのなかには「その後の繋がりを続けていくために、一歩踏み込んだ会話が必要だと感じました」「学んだSNS発信スキルを個人アカウントに生かし自分の世界を広げていきたい」と話してくださる方もいて、課題意識を共有できたことにとても嬉しくなりました。
Q5:あなたにとって「文化」とは?
本機関紙で恒例の質問。「この質問が一番難しい」と頭を悩ませつつ、十人十色な回答をいただきました。並べてみると様々な捉え方があることが分かりますね。
- 人との繋がりが生まれる場所
- その時代を表現しているもの
- 人が人らしく生きていくもの
- 答えを持っていない
- お祭り
- DNA
- 自分らしさ
- 波
文化は人との繋がりから生まれる
「人との繋がりが生まれる場所」や「その時代を表現しているもの」は、古く伝わる文化も、新しく生まれる文化も、一人では残すことはできず、他者と共有される一連の流れが文化だと話す人もいました。また、「人が人らしく生きていくもの」では、カメラやサイクリングなどの趣味を楽しみ、豊かな日々を過ごすことができるのは、先人が「文化」を生み出し、発展を繰り返してきたおかげだという考えもありました。

言葉に例えて表現する
文化を「お祭り」「DNA」「波」という言葉で表す回答もありました。「お祭り」は、地域に住む人々によってつくられているため、お祭りには地域の文化が詰め込まれていると話す方や、同じ理念を持った人々が集まってカタチとなり、継承を繰り返す流れは「DNA」のようだと表現する方も。文化との出会いを「波」にたとえる方は、何かに出会い心が動く事を「文化」とするならば、心地よい波もあれば、大きな衝撃を受ける波もあったりと、文化と出会う時には波のような感覚があると語りました。

考え、共有し、自己に落とし込んでいく
なかには「答えを持っていない」という方も。ずっと考えてはいたけれど、今は答えを導き出せなかったとお話いただきました。「文化」の定義は捉えにくいものなので、無理して回答を出す必要はなく、まずは「文化って何だろう?」と考える作業が大切なのかもしれないと感じました。この質問をしていると、他者の物事に対する感じ方や価値観に触れることができます。インタビュー中も、「ああ、なるほど」と相槌を打つ人もいたり、難しい問いではありますが考えを共有する作業は面白いなと改めて思う時間でした。

これからのサポーター
マーケット日和は、2024年で11回目を迎えました。公園での過ごし方を提案し、日常的な賑わい創出することを目的にスタートし、時が流れ、賑わいの創出は公園からまちへとエリアを広げてきました。各務原には、新しい人や出来事を受け入れる土壌があるように感じます。サポーターの活動で人との繋がりを実感できたのは、そういった土壌のおかげかもしれません。
サポーターの皆さんへ「あなたにとって文化とは?」と聞く中で、今、マーケット日和は新しい”まちの文化”を創っている最中なのかもしれないと感じました。まちに興味を持ち、まちを面白がり、自分達の暮らしをプラスにしたいという共通の想いが広がりはじめているのではないかと、今後の展開が楽しみになるインタビューでした!

インタビュー場所提供
会議室という無機質な場所ではなく、まちの変化を感じられる那加公園エリアでインタビューを行いたい!ということで、「旧文具店」と「花と喫茶karakuru」さんにインタビュー場所を提供いただきました。
かつて、まちの営みを支えていたお店を、次代へと受け継がれ、新しいまちの顔として生まれ変わっています。今回、お借りした場所は、リノベーションを全て外注するのではなく、まちのメンバーを募り、可能な範囲で自らの手で改装を行っています。そうして、まちの変化を間近で見ることで、まるでここが地元かのように愛着が湧いてきます。ぜひ皆さんも、まちの動向をチェックしてみてくださいね◎

那加メインロードで、文具店兼住居として使われていた3階建ての建物。今後はまちを面白くするための拠点のひとつにするべく、まちのメンバーで活用方法を模索中。

2024年11月、JR那加駅から南に伸びる本町通り沿いに、花と喫茶のお店としてオープン。一人でも過ごしやすく、毎日食べたくなるおやつや、飾りたくなるお花と出会えるお店です。